2023年2月に借金まみれの母親が亡くなりました。
連帯保証人になっている借金や入院費、お寺の費用や自治会費…。相続放棄に関係ない部分を精算してみると、兄妹あわせて100万円以上の出費に…。
その後も「内縁の夫」なるものがいちいち首を突っ込んできて、死んでからもいろいろとトラブルを残していくなぁと感じずにはいられませんでした。
直葬は理解されないものである
私の母は4人姉妹の長女でなので、お正月などの行事ごとに妹たちを店に招き料理を振る舞っていました。
商売をしていたせいもあってか、内縁の夫をはじめ知人も多いです。
借金をしてまでおもてなしする必要があるのかと思うほどの見栄っ張りでした…。
みんな羽振りの良いところしか見ていないので、なぜ私たち兄妹が葬式を出さないのか不思議でならないし腹立たしかったことでしょう。
松田さんも私を連帯保証人にしてまで借金しているのは知らなかった様子
わが家のほうは夫が義母の入院で会社を長く休んだ直後なので追加で休んでもらうのは難しく、子供も小学校がある上に夜20時まで1人で過ごすことになってしまうので、すぐに帰省するのは困難でした。
夫に無理を言って1日だけ休んでもらい、火葬の翌日に1泊2日で帰省しました。滞在時間わずか27時間。
家に着くなり松田さんに「なぜ火葬に来なかったのか」と文句を言われました。
母の妹たちも言っていたそう。兄が「義母が入院して大変なことになっている」と説明してくれていたので助かりましたが、嫁いだ立場だから許されたのだと思います。
もし息子の立場であれば、かなり非難されたことでしょう…。
年配の人になるほどやたらと葬式にこだわります。
別に香典もいらないし、今後顔をあわせない親族ならば無視して直葬でいいですが、相続などで連絡を取るのであれば、家族葬にしておいたほうが無難。
費用はいくらかかったか
お別れ会に来てくれた方々にさすがに何も出さないわけにはいかず、飲み物とお茶菓子は用意。
松田さんが片っ端から連絡し、お別れ会の日程と香典の辞退を伝えると、2日間で100人近くご来場下さいました。
松田さんは母が多額の借金があるために、息子たちが店を継いでくれない!とあることないこと言いふらしていたそうです。
当日は兄嫁が手伝いに行ってくれたのですが、かなり暴言を吐かれブチ切れたところ、胸ぐらをつかまれ「○すぞ!」と脅されたそうです。
兄嫁は兄が弱音を吐きまくっているのでこれは本当にマズいと思ってブチ切れたらしく、それを見て兄が「自分がしっかりしなくては!」と正気を取り戻したようでした。
松田さんは怒鳴るようにしゃべってくる人なので、それで余計に萎縮してしまっていたのもあります。
お別れ会にかかった費用
松田さんをはじめ、準備を手伝ってくれた方への飲み物やお弁当、参列者へのお菓子や飲み物。
松田さんが勝手に手配したスタンド花。
戒名が無いとかわいそうだから注文しろとインターネットで手配した戒名。
なんだかんだと全部あわせて10万ほどかかりました。
それでも葬式をするより少なく済んだかも…。
葬式をしておけば持ち出しなんてなかったのに!と松田さんは言っていましたが、コロナ禍以降お客さんが激減しているのに、本当に香典だけでまかなえたのでしょうか?
50人参列してくれたとして、1人5000円の香典で25万…。香典返しも必要。
私の父が亡くなったときは小規模の家族葬で30万円、香典返し別途。やはり持ち出し必須です。
自分たちは早く火葬して日常生活に戻りたいところですが、直葬した後に故人を偲ぶ場を設けたり、49日の法要などを行なったほうが外野の怒りもおさまりやすいようです。
直葬と納骨堂の費用
わが家の場合は市営の葬祭センターで直葬したので9万円。
同じく市営の納骨堂は市民だったら35,000円で永代供養できるので、あわせて12万5千円。
一般的な永代供養だと区画をきちんと管理してくださるので10万円からかかりますが、こちらは納骨堂の空きが無くなったら他の遺骨とまとめて合葬されます。
わが家は両親ともにだらしない性格で、幼い頃から浮気、借金、DVなどを目の前で見せられていたため、親の遺骨に未練はありません。
父の遺骨もこちらで永代供養してあるので、迷う事なく納骨する事にしました。
菩提寺ともめる?
直葬すると菩提寺ともめるという意見も聞きますが、母の実家の菩提寺は特にそんなことはありませんでした。
いちおう納骨前に相談へ行ったのですが、誰がどこの墓へ、たとえば宗派が違うところへ入れても全く問題ないそう。
先祖の墓を残すのであれば、毎年納める管理費やお布施をきちんと納めていれば大丈夫とのこと。
そのとき発覚したのですが、母は毎年納める管理費やお布施のほか、自治会費を10年近く払っていないという事実でした…。
さすがにこればかりは兄妹そろって平謝りです…。
すぐにその場で滞納分を精算。13万円ほどかかりました。
祭祀継承者は誰がなるか
母の姉妹はみんな嫁いでおり、それぞれ義実家の墓があります。
祖父母亡きあとは母が祭祀継承者だったのですが、法要は行わず管理費も滞納する始末。
幸い3番目の妹が信仰心が深く、義実家の菩提寺と相談した上で自分が墓を継ぐと言ってくれたのは助かりました。
毎年12,000円ほどの管理費+お布施がかかりますが、親の墓を子供が継承するのは順番でいうと妥当なところ。
祭祀継承者は相続のときに見逃しがちなので、自分の親が祭祀継承者の場合は、次の人をあらかじめ親族間で話し合っておいてもらったほうが良いです。
仏壇の処分をしたい
3番目の妹の家にはすでに仏壇があるので、戒名と位牌だけ持って帰りました。
仏壇や位牌は魂抜きをしなくてはいけないと言うところもあるようですが、私の所ではお焚き上げの日に焚き上げて処分すれば大丈夫とのこと。
仏壇もべつに魂が宿っているわけではないので、自分たちでバラして粗大ゴミに出してもバチは当たらない。
さすがにそれは恐れ多いという人には業者を紹介するけど、行ってもバラバラに分解して持って帰って処分するだけですよ、とおっしゃっていました。
仏壇は相続財産には当たりませんが、相続放棄に影響が出ても困るのでとりあえずはそのまま置いておくことにしました。
墓じまいをする場合は?
区画により費用は異なるけれど、最低でも50万円はかかるそう。
墓じまいは寺が指定する業者を使ってくれるなら出来るけれど、インターネットに出ているような格安の業者はお断りしているとのこと。
おわりに
直葬は通夜や葬式がないので手軽で現代のニーズにマッチしていますが、まだまだ受け入れられない人は多いです。
わが家は兄が婿養子で家を出ており、私も遠方へ嫁いだため、亡くなった時は直葬、納骨堂での合葬にしてくれと母が言っていたのですが、それでも先祖の墓があるんだったら墓に入れて管理しろと、松田さんや母の妹たちに責め立てられ、兄もかなり参っていました。
自分たちが楽したいからウソを言っているという親族もいるので、エンディングノートなどで遺言を残しておいてもらうのはとても大事です。